極甘同棲~エリート同期の独占欲を煽ってしまいました
「彼女が自分の意思でここに来たなら、彼女の意思で選んでもらいましょうか」

彬良くんが、かろやかな身のこなしで立ち上がる。

「そよか、俺はあっちの席を取ってるんだけど、どっちがいい?」
ひょいと、ひとつテーブルを挟んだ席をしめす。

そんなの、考えるまでもない。すばやくバッグを手にとって、迷いなく席を立つ。
彬良くんがすっと背中に手を回してくれる。彼だけを見つめて、怖いものなんて何もなかった。

去り際、彬良くんが首だけひねって「あなたにそよかは落とせない」と席に沈み込んでいる三崎さんに端的に告げた。
「俺が二十四年かかったんだから」
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