極甘同棲~エリート同期の独占欲を煽ってしまいました
気を抜くとこぼれてくる涙を振り払うように、ある日の仕事帰り、わたしは銀座にある老舗の文房具店に足を運んだ。文房具だけじゃなくて、センスのいい生活雑貨も揃っている。
革製品を扱っているフロアで、すぐに目当てのものを見つけることができた。

わたしだってEureka広報部の端くれ。ちょっとしたギフトの情報には詳しくなった。

カウンターで名入れのオーダーを済ませる。
「明日には出来上がります」と店員さんが丁寧にオーダーシートを折って渡してくれた。

さっそく次の日受け取りに行って、その小さな包みを大切にバッグにしまって帰宅した。

その日の夕食後、リビングに置いておいたバッグからそれを取り出して、ちょっと照れながら彬良くんに渡した。

彼が驚きながら受け取る。なんだろうという表情だ。

「使ってもらえるといいんだけど・・・」

「開けていいの?」

「うん、もちろん」

「これ———」
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