極甘同棲~エリート同期の独占欲を煽ってしまいました
「昨日、カタログのプロップ(小道具)用に、代官山のインテリアショップで星の形のランプを貸してもらったんだけど。そのときわたしショップの店長さんにペンを借りたまま、うっかり返すの忘れちゃったの」

北川さんでも、そんなうっかりがあるんだな。

「さっき気がついて、慌てて店長さんに連絡したら『いいですよー、ペンくらい』って言ってくれたんだけど。そういうわけにもいかないから。今後もお世話になるかもしれないし」

確かにそれはきちんと返すのが、マナーなんだろうな。でも北川さんは多忙だ。今日だってこの後、取材の予定が入っている。

「わたしでよければそちらに行ってきます」

「助かる〜、もう今日はその後直帰でいいよ。あ、すごく感じのいい方だから安心してね。北欧のインテリアを扱ってるラッカウスっていうお店だよ」

・・・そのお店、知ってます。とは言い出せなかった。
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