極甘同棲~エリート同期の独占欲を煽ってしまいました
「今日はどこ行こっか?」
彬良くんが、食後にお茶を飲みながら言う。

「ユニオンスクエアでマーケットが開かれるから、行ってもいい? 野菜とか果物とか、新鮮で安いの」

「O.K 、あと午後か、明日とかオフブロードウェイに行ってみない?」

「オフブロードウェイ?」

「うん、いわゆる小劇場。ブロードウェイっていうくらいだから、その名前の通りに有名な劇場が並んでるわけだけど。そこから引っ込んだ通りをオフブロードウェイっていって、小さい劇場で芝居やパフォーマンスをやってるんだって。人気が出ると、そこからブロードウェイに進出したりして」
彬良くんが説明してくれる。

「それ面白そうだね」
こちらに来たばかりの頃は、もちろんブロードウェイで有名なミュージカルを観たけれど。オフというのが、なんとなく通っぽい。

「後で、評判がいいのをチェックしてみるよ」

この街にも、新しい生活にも、慣れつつある。悲しいことに、英語にはなかなか慣れないけれど。

つい彬良くんに頼ってしまうけど、なるべく自分でできるように、勉強の日々だ。
テレビを観たり、ラジオを聴いたり、ニュースペーパーを読んでみたりと、英語と格闘している。

一人でスーパーに買い物に行ったり、カフェでお茶するのも、まだ緊張してしまうけど。それでもこちらに来た当初よりはマシになってきたから。
帰国する頃にはバイリンガル?なんて妄想したりしてる。
< 197 / 205 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop