極甘同棲~エリート同期の独占欲を煽ってしまいました
彬良くんとのことを考えたくなくて、あれ以来仕事に意識を向けるようにしていた。
逃げ場にできるほど、大した仕事はしてないというのに。

「そよかちゃん、今日のコーディネートかわいいね」

香織さんに褒められて、「ありがとうございます」と声がはずむ。

黒のカットソーに、一目惚れした今シーズンのEurekaのブルーのサーキュラースカートを組み合わせてみた。カットソーは襟ぐりがスカルカットになっているのがポイントだ。
いくら社割がきくといっても、Eurekaの商品だけでワードローブを揃えるのはお金がちょっときついから。基本的に内勤だから自社製品を身につけなきゃいけないってわけでもなく、服装は自由にさせてもらっている。

「うん、赤とか黄色のスカートだと、ちょっとスパイスが効きすぎる感じだから。ブルーで正解」

さすがプレス。香織さんの見る目って的確だ。

やっぱりファッションが好きで、この仕事が好きだ。このチームために役に立ちたいんだと思う。

そのためにわたしにできることは———
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