極甘同棲~エリート同期の独占欲を煽ってしまいました
その日の帰宅途中、スマホをチェックすると彬良くんからメッセージが入っていた。

[日曜日は11時に迎えに行くから。住所教えて]

彬良くんとお付き合いすることになったものの、彼は想像以上に多忙だった。
毎日のように夜遅くまで働いているし、出張もある。アパレルという業界柄、土日も動かなければいけないときもあって。

かれこれ一ヶ月近く経とうというのに、デートらしいデートをするのは、なんと今週が初めてだ。

デートかぁ、どれくらいぶりだろう・・・。大学生の時が最後だよね。

恋愛には縁遠い、と自覚している。人のせいにはしたくないけど、それにはどうやら彬良くんの存在がかなり影響しているみたいで。

どうもわたしはそばにいる男の人には、なんでもできて、なんでも知っていて、頼りがいがあって当たり前と期待してしまうらしい。

高校生の時、ちょっといい感じになって二人で遊園地に遊びに行ったりしていたクラスメイトの男の子がいたのだけど。
数学を教えてと頼んだところ、「ごめん、俺文系だから分かんない」と言われたとき、わたしは唖然とした表情をしてしまった。

彼とは気まずくなって、それっきりだった。
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