極甘同棲~エリート同期の独占欲を煽ってしまいました
「そよかちゃん、字がきれいだし細かい作業でも手抜きしないから、助かるよ〜」

わたしには、それぐらいしかできることがないから。

3時だし休憩しない、という香織さんの言葉にふたりで休憩コーナーへ向かう。
ホットレモンをすすりながら、このあいだから気になっていたことを聞いてみた。

「あの香織さん、マーケティングの三崎さんと経営企画の佐伯さんがどうとかって、話してましたよね」

あぁあれね、と香織さんがうなずく。
「社内でコンペの形式で、各部署から新しいプロジェクトの案を募ってたんだけど」

そんな話があったことさえ知らなかった。

「最後まで競ったのが、三崎さんと王子の案だったんだけど。あ、そよかちゃん、王子と知り合いだったよね、聞いてなかった?」

ちょっぴり傷つきながらうなずく。
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