極甘同棲~エリート同期の独占欲を煽ってしまいました
第五章/揺れる心


最近、鏡を見る時間が長くなった。
彬良くんを好きになればなるほど、好きなひとの目に映る自分の姿が気になってしまうから。

子どもの頃からいつも顔を合わせてきたのに。一緒に暮らし始めてすっぴんを見せるのがなんだか恥ずかしいっていうのもおかしな話だけど。

鏡に映るのはよく知っている自分だ。小柄、色白、童顔と三拍子揃っている。目が大きくてあごが細い。
かわいいと評されることはあっても、「美人」「綺麗」などと言われることはないのが悲しい。
無いものねだりなのか、昔から大人っぽい女性に憧れた。

ファッションはいつも悩みの種だった。
大人っぽさを意識して、モノトーンのシンプルなコーディネートにしてみると、ただの地味な女の子がそこにいた。
それじゃあと、パステルカラーや花柄のアイテムを身につけると、なんとも垢抜けない子どもっぽい自分にがっかりする。

どんな服が似合うのか、なにを着れば自分に自信が持てるのか、十代の頃はそれが人生最大の悩みだった気がする。
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