なぜか1番大好きなアイツ
窓側の席に座ってる恵麻を見ると、ぼーっとなんでも良さそうにしている。
恵麻らしいなって思って思わず笑ってしまった。
「え、…。」
掠れた小さな声が隣から聞こえてきて、振り向くと真田くんも恵麻と同じで私をぼーっと見ていた。
「なに?」
私の声にハッとしたのか、慌てて真田くんが言った。
「あ、…いや。ただ、彩綾ちゃんの笑顔可愛いなって思ってさ〜」
「はぁ?」
こんな時でもチャラいんだ…。
と、呆れた私に気づくことなく喋りかけてくる真田くん。
「彩綾ちゃんの笑ってるとこあんまり見たことないんだって!俺、笑顔フェチだから」
笑顔フェチ?
…へー、意外とまともなフェチなんだ。
てか…自分は偽笑顔なのにどうして笑顔フェチなんだろう?
って!私が気にしてもどうにもならないし…!!
やめよやめよ。真田くん気にするとからしくないよ私!!
「太ももフェチとか…だと思ってた……」
「え、俺そんな変態なフェチ持ってるように見える!?」
ボソッと思わず本音が漏れてしまった。
…十分変態に見えるでしょ。
「うん。てかさっさと多数決して」
「はいはーい」
適当に返事した真田くんが多数決を取り始めた。