あ
「おい、聞いてんの?」
換気扇の音とともに低い声がした。
「あ、ごめん、付き合うってどこに?」
男は目を点にした、今時そんな事言うやついるのって顔で私を見る
「ははっ、いやじょーだん。
知ってんでしょ。私は彼氏とかつくんないの」
告白されるのもめんどくさい
ちょっと長居しすぎたな。いつもだったらすぐ帰ったのに
あの人と同じ煙草
同じ髪色
キッチンの広さは断然広いが換気扇をつける音
顔も声も曖昧だけど、
あの人が言った言葉と煙の匂いは覚えている
私なんでこんな事してんだろ、