ネェ、オレヲアイシテ?Ⅰ~Belief or Hypocricy~
虐殺~妖斗side。
『逃げ……ろ、妖斗っ!!』
黒スーツを着た男が、暁にぃの足を拳銃で撃った。
『ひっ……』
暁にぃのジーパンが破けた。破けたところから見える足は真っ赤に腫れ上がり、どす黒い血を垂れ流がす。
**
ことの発端は10分ほど前。家に黒スーツをきた男が2人来たのが始まりだった。
知り合いだったのか、パパとママは笑って彼らを受けいれた。
しかし、その直後、パパとママが銃で殺された。そしてその後、暁にぃが拳銃で足を撃たれ、倒れた。
『アハハハハハ!!』
男は床に倒れ込んでいる暁にぃの頭を拳銃で何度も叩いて、楽しそうに笑った。
床には、血塗れの両親の死体が転がっている。それにもはや声を上げることすら出来なくなり、足から血を吹き出して意識を失っている、暁にぃの身体がある。
「にぃっ、あきっ、暁にいぃぃぃっ!!」
内蔵を掴んでぐちゃぐちゃに掻き回されたかのような、とんでもない絶望感と恐怖に襲われる。
なんで。なんでなんでなんで。
嫌だ。
…………俺は、独り?
もうママやパパには会えないの?
ねぇ、なんで?
暁にぃは?
みんなはどこ……?
『こいつ、まだガキか。
……情けだ。ずらかるぞ』
暁にぃを気絶させた男はそう言い、
俺の頭を乱暴に撫でた。
『はーいよ』
男達は、両親の死体と倒れた暁にぃの身体を持って、俺の前から消えた。
< 1 / 275 >