ネェ、オレヲアイシテ?Ⅰ~Belief or Hypocricy~
「じゃあ、これからはあたしが妖斗に色んなこと教えてあげる。 もちろん、楽しいことをね?」
真凛さんは、そう言ってウィンクをしてきた。
「……調子乗んな」
初めて、俺は笑った女を可愛いと思った。
顔を背けて悪態を着くと、真凛さんは俺の顔を上目遣いで覗き込んでくる。
「妖斗、顔真っ赤だよ?」
肩を叩いてそう言ってきたのが、
一週間前の麗羅さんとかぶった。
俺はつい、思いっきり手を振り払った。
「妖斗?」
「……ごめん」
切なそうな顔をした真凛さんの視線に耐えきれず、俺は部屋に戻った。
トラウマみたいに、売色の記憶が頭にこびりついてる。
あの事故と同じように。