ネェ、オレヲアイシテ?Ⅰ~Belief or Hypocricy~
「はぁ……」
なんか、今日嫌なことばっか起こるな……。
「……兄さん、会いたいよ」
独りでいると、なにかに不安になると、無性に恋しくなる。
十年前みたいに毎日そばにいてくれて話ができたら……どんなにいいか。
そんなこと出来るハズもないのに、それでも俺は願わずにはいられない。
コンコン。
開けっ放しにしていたドアを、真凛さんが叩いた。
「妖斗、カレーできたよ?」
声がした方を見ると、真凛さんがカレーとお茶を2つ、それに何故か牛乳を置いたトレーを持って部屋の前にいた。
「……すいませんでした」
部屋に入れてから戸口一番に、俺は頭を下げる。
「アハハ!いいよいいよ。カレーあたしの分も作ったから、一緒に食べよ?」
真凛さんは快活に笑い飛ばし、
何でもないみたいにそう提案する。