ネェ、オレヲアイシテ?Ⅰ~Belief or Hypocricy~
「大丈夫だよ、何もしないから」
目の前にいる実態を持った化け物は、俺に近づいてそんなことを言ってくる。
「………ひっ、嫌だぁ……」
体が鉛みたいに重くて、一切動かない。
怖いよ……。
………兄さん、兄さんっ。
化け物が俺の手に触れた。
「ひっ、…………ごめんなさい」
自分が何に対して謝ってんのかすら、よく分からなかった。
“何、言う通りにできないの?
じゃあ、お仕置きをしなくちゃね”
利亜さん……。
……ごめんなさい。
従順な犬にすらろくになれなくて、ごめんなさい。
“ねぇ妖斗、ムカデって服に忍び込ませたらどうなると思う?すっごい気持ち悪いらしいわよ、試しにやってみなさいよ”