ネェ、オレヲアイシテ?Ⅰ~Belief or Hypocricy~





「ああ、そんな風に言われたこともあったな」



先生は懐かしそうに呟く。





7年前、緋色駅という不良の街の路地裏で、あらゆる暴走族が一人の男に手当たり次第に喧嘩をふっかけられる事件が起きた。しかしその事件、喧嘩に勝ったのはなんと暴走族ではなく男の方だった。後に、その男は青髪の鬼と通り名がついた。






男の名は亜月空我。青髪とつり上がった瞳が特徴で、当時は虹蘭というメンバー80名弱の小さな族の頭をやっていたそうな。






そして、奴の所属していた虹蘭は、設立してから一年もしないで、東京No.1まで上り詰めた。






「……俺が妖斗と知り合いだったのは、元々妖斗の親と仲が良かったからだ」








親と、知り合い?




俺は気がつけば、先生の胸ぐらをつかみあげていた。








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