ネェ、オレヲアイシテ?Ⅰ~Belief or Hypocricy~
「……妖斗!」
1015号室のドアを開けると、そこに妖斗の姿はなかった。
「クソっ!!何処にいんだよ!」
その時、空から雨が降り出し、それはすぐに土砂降りになった。
病室の窓からその景色を見ていたら、俺はひとつの仮説に思い当たった。
「……まさか、屋上か?」
翼咲の方に行ってるならとっくに連絡が来てるはずだ。
それで兄のところにもいないとすれば……。
いちかばちか、俺は病室を出て階段を駆け上がり、屋上へ向かう。
屋上のドアを開ける。
柵を飛び越えた屋上の端に、妖斗は立っていた。
「あのバカっ!!」
俺は柵を飛び越えた。妖斗を後ろから抱きしめて、俺は叫ぶ。
「勝手に死のうとしてんじゃねぇよ!!」
「……光にぃ?」
「このアホ!何死のうとしてんだよっ!!」