ネェ、オレヲアイシテ?Ⅰ~Belief or Hypocricy~




光にぃは柵を飛び越え、聖理奈さんのところまで歩み寄った。


「………」




「……妖斗、お前泣きすぎ」


翼にぃが俺の目の前まで歩いてくる。


「翼にぃ……」



囁くように俺は言う。
これから先起こることが何もかもが不安で、
声にならなかった。



「何だよ。……ほら、早く降りてこいよ」



翼にぃは無傷の左手を俺と翼にぃを阻むようにあった柵の上にやった。



俺は手を掴んで柵を飛び越え、翼にぃの目の前に着地した。翼にぃは、俺を強引に抱きしめた。



「翼にぃ、……ごめんなさい」

小さな消え入りそうな声で言う。

大きな声で謝ることはできなかった。


「ん、いいよ。俺達も無神経過ぎたな」


……なんでこんなにあったかいんだ。


俺は、人殺しなのに。

母さんも父さんも、兄さんも助けられなかったのに。



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