ネェ、オレヲアイシテ?Ⅰ~Belief or Hypocricy~
初恋。
前にいた光にぃの背中を、翼にぃが叩いた。
「光輝ー?何珍しくぼーっとしてんだよ。
俺らもアクセかなんか探しいくぞ」
「あっ、ああ……」
「……光にぃ?」
光にぃの顔色を伺うと、頬を赤くして口を隠していた。
「ははーん。光輝、さては、聖梨奈のあの急な甘さに照れたな?惚れ直したか?」
光にぃをニヤついた顔で見て、翼にぃは得意げに言い放った。
「ばっ、そんなんじゃねぇしっ!!元からあいつは甘くなくても綺麗だよっ!
……って、そうじゃなくて、あーもうっ!!!」
赤面した光にぃは両手で頭を抱え、その場にしゃがみこんだ。
「……墓穴掘るとか、クソダサ」
「うっさいわ!!」
すぐに立ち上がり、光にぃは翼にぃの頭を叩いた。
「痛っ!」
顔をしかめ、翼にぃは光にぃを睨みつける。
「ハハ!!」
俺はその屈託のないやり取りがおかしくて、笑った。
「「やっと笑ったな」」
光にぃと翼にぃが声を揃えて言った。
「……ありがとう」
「ん。じゃあ、プレゼント探しに行くぞー」
笑いながら、光にぃは先頭を歩き出した。