ネェ、オレヲアイシテ?Ⅰ~Belief or Hypocricy~

ファミレスには、5分もしないで着いた。

「何名様ですか?」

「五名です」

店員の言葉に、光にぃが応じる。

「では、こちらにどうぞ」

店員は俺たちを壁際にあった6人用の席に案内した。
席には中央にあるテーブルを挟むようにして、3人用のソファと、椅子が3つ並んでいた。

「妖斗、ソファいけよ」

「え、なんで?」

「そんなのソファの方が座りここちいいからに決まってんじゃん?」

「ソファ行くぞ、妖斗」

翼にぃが俺の手を掴んで、ソファの前まで歩く。
翼にぃは胸を押して、俺を強引にソファに座らせた。
おしりが勢いよく沈んだ。……すごく柔らかい。

「……ふかふかだね」

俺は隣に座っている翼にぃを見ながら、笑って言った。

「おう」

「なら良かった。俺は、妖斗の前に座ろうかな」

光にぃは俺たちを見て微笑んでから、俺の前の席に座った。

聖理奈さんは何も言わず、光にぃの隣に座った。真凜さんは、聖理奈の隣に座った。

「とりあえずドリンクバーと、あと何頼むの?ポテトとか?」


「ああ。まずはそれだけでいいんじゃね? お腹空いたらなにか追加すればいいだろ」

光にぃがメニューを見ながら、聖理奈さんや真凜さんと話を進める。

「妖斗、なにか食いたいもんある?」

「いや、大丈夫」

「ん、りょーかい。翼咲は? からあげとか食う?」

「食う!」

「ん。じゃあとりあえずドリンクバーとポテトと唐揚げだな」

光にぃは店員を読んで、注文をした。

「聖理奈、ドリンクバーとりにいこ!」

「ええ」
聖理奈さんが返事をすると、真凜さんは席から立ち上がって、店の入口の近くにあるドリンクバーに向かった。聖理奈さんは真凜さんの後を小走りで追った。

「なぁ妖斗、お前ぶっちゃけ真凛のこと好きだろ?」


真凛さんがたちがいなくなった途端、光にぃはそんなことを言ってきた。





「ゲホッ、ゲホッ!!」




不意の言葉に驚いて、俺は飲んでいた水を、吹きそうになった。



「………好きって言われても。良い人だとは思うけど」




小声で俺は言葉を返した。




そもそも、俺は仕事柄のせいで恋をしたことがない。






「……恋とか、好きとかよくわかんない」








「……その人のこと可愛いって思ったり、そばにいたいって思ったり、離れたくないって思ったりすることだろ。





あとは、気づいたら目で追ってたりその人のこと考えてたりとかな」







隣に座っていた翼にぃがそんなことを言ってきた。







「まるで自分が恋してるみたいに言うなぁ?翼咲」





光にぃは、面白くてたまらないというような顔をして、翼にぃを見た。





< 140 / 275 >

この作品をシェア

pagetop