ネェ、オレヲアイシテ?Ⅰ~Belief or Hypocricy~
芽生え。
ブーブー。
「あ、桃華から電話来たわ。俺ちょっと出る」
翼にぃは、逃げるように席を立って外に出ていった。
「クク、あいつが恋かぁ……」
光にぃは、随分と嬉しそうに笑いながら言った。
「真凛、お前には申し訳ないんだが、あいつクリスマスその女と過ごさせてもいいか?
お前宛てのプレゼントは返品して、翼咲には改めて好きな奴宛のプレゼントを選んでもらおうと思う」
「アハハ!申し訳ないも何も、あたしはプレゼントなんて、この妖斗から貰えれば充分!!」
少しだけ躊躇いがちに言い放った光にぃの言葉を、真凛さんは軽やかに笑い飛ばした。
続けて俺の頭を撫でて、頬を赤くした俺に笑いかける。
何かに焦るかの如く、心臓が音を立てた。
………やっぱり、好きとかよくわかんない。
でも、俺は……この人のことを気になっているのかもしれない。