ネェ、オレヲアイシテ?Ⅰ~Belief or Hypocricy~
ダイキライだった世界には君がいた~翼咲side。
俺はファミレスを出て、外で通話に応じた。
「桃華?何?」
《あ、出た。私さ、翼咲に言いたいことあって》
桃華がテンション高めの声を上げて言ってくる。
「言いたいこと?」
《うん!退院おめでとう》
電話越しから、桃華の嬉しそうなが聞こえてきた。
「ハァ……お前わざわざそれ言うために電話したのかよ」
俺は思わず、ため息を吐いた。
やめろよそんなん。
……期待するだろうが。
《人がせっかく祝ってるのにその態度は何よ》
「うっ。………まぁ、ありがとう」
嫌そうな声が聞こえてきたので小声でそう返すと、桃花は、一際大きな声で叫んだ。
《えー聞こえなーい!!》
「いや、お前ガッツリ聞こえてるだろ」
《テヘッ、バレた?》
お転婆な声を上げて、桃華は笑う。
「………桃花、俺初詣お前んとこ行くから」
頬を赤らめて、俺は素っ気なく言い放つ。
《友達とかと一緒じゃなくていいの?》
「………お前が俺が年越しに一番一緒にいたい女だから言ってんだけど?」
《えっ》
「……こんなこといわすんじゃねぇよこのバカ桃華」
鈍いのがムカついたので、俺は腹いせに罵倒してやった。