ネェ、オレヲアイシテ?Ⅰ~Belief or Hypocricy~
「随分騒がしいなぁ。……桃華、そろそろご飯だよ」
ガーン。
空我先生が病室に入ってきて、そんなことを言い放った。
タイミングがくっそ悪い。
「あ、空我先生。分かりました、持ってきていいですよ」
「そ?それにしても、あの病院嫌いの翼咲が見舞いに来るなんて、桃華は随分気に入られてるんだな?」
空我先生は、随分とニヤついた顔で問題発言をぶちかました。
「…………」
俺は、思わず何も言えなくなった。
ま、マズい。
桃華には、そのこと話してなかったのに。
「え、翼咲って病院嫌いなの?」
「いや、えっと………」
疑うような顔をした桃華から目をそらし、
俺は歯切れ悪くなりながらも
次に言うべき言葉を頭で考えた。
いや、返す言葉がねぇ!!
「嫌い、なの?」
桃華は俺のニットの首元を引っ張り、顔を覗き込んできた。
「………そうです、ハイ」
卑怯者がぁ……。
そんなことされて嘘なんか付けるか!!