ネェ、オレヲアイシテ?Ⅰ~Belief or Hypocricy~
これ、リビングルーム戻りづらいなぁ……。
嘔吐物で汚れた口を水で洗い流し、タオルで手とそこを吹いた。
……最近、大人の女の人には会ってなかったけど、女には会ってたから少しはマシになったと思ったのに。
全然マシになってねー。
もはや悪化してる?
「……はぁ」
ため息を吐いた俺は、嫌々ながらもリビングに戻るため、ダイニングルームのドアを開けた。
「お、妖斗。大丈夫か?」
入ってきたのに気づいたのか、光にぃが聞いてきた。
「……うん」
俺は、小さな声を出して頷いた。
失礼すぎて、優姫さんに合わせる顔がない。
「ほら、翼咲と初対面だった時みたいに、俺の後ろに隠れてもいいから、挨拶しろ」
「……さっ、さっきはすみませんでした。白龍に保護されてます、次楽妖斗です」
言われたとおり、俺は光にぃの後ろに行き、
ちょこっとそこから顔を出して挨拶をした。