ネェ、オレヲアイシテ?Ⅰ~Belief or Hypocricy~
予兆。
「ミーツケタ、妖斗」
ベランダに入っていたから開けっ放しになっていた窓から、そう声が聞こえた。
「っ!? あっ、あ………」
寒気がして、俺は頭を抱えて、ただただ喘ぐことしか出来ない。
「妖斗、どうした?」
翼にぃは、勢いよく俺の体を揺さぶった。
「……いる、あの人が」
「は?誰が?」
「…………俺に、売色を教えた人。あの事故後、俺を監禁して、学校にも通わせず、ご飯だって1日1食しかくれなかった。
………12歳の時、俺を、無理矢理犯した人だ」