ネェ、オレヲアイシテ?Ⅰ~Belief or Hypocricy~
神社に着くと、そこは人で溢れかえっていた。
初詣の参拝をしたい人達の列が、神社の入口よりさらに奥まで出来上がっていたのだ。
「よっ、妖斗!!」
4人で列に並ぶと、前には翼にぃとその彼女?がいた。
「翼咲、誰?」
隣にいる子は、翼にぃの服の裾を引っ張って、不思議そうに聞いてきた。
黒い髪をした、可愛い女の子だった。
「……俺が今、世話んなってる人達。
まぁ、家族みたいなもん」
翼にぃは、頬を赤らめながらもそう言った。
家族、か……。
「そうなんだ!!初めまして、翼咲の彼女の鈴風桃華です!よろしくお願いしますね?」
屈託のない笑みを向けて、翼にぃの隣にいる女の子は挨拶をしてきた。
「八尾光輝だ。馬鹿な弟をよろしくな?桃華ちゃん」
光にぃはそう言って、桃華の頭を撫でようとした。
しかし、その腕を翼にぃが掴んだ。
「…………こいつの頭撫でていいの俺だけだから」
「もう、馬鹿っ!!」
翼にぃが小声で言い放った独占欲丸出しの言葉に、桃華は頬を真っ赤にして抗議していた。
……仲良すぎだろ。