ネェ、オレヲアイシテ?Ⅰ~Belief or Hypocricy~
「全く、お得意様の麗羅の仕事も投げ出してどこに逃げたかと思ったら……暴走族ねぇ。
お仕置きされたいの?」
女は、悪魔のように笑いながら言い放った。
「利亜さんっ、……俺はもうあんたのとこなんか帰りたくないっ!」
妖斗は喉仏から必死に声を絞り出して、反抗した。
「……妖斗」
俺は、そっと震えた妖斗の背中を撫でた。
強くなったな。
ついこの前まで、自分の命なんて簡単に投げ出してたのに、今はこうやって言ってくれる。
こいつにとって、白龍はそれぐらい大事な場所になったんだろうな……。
不謹慎だけど、俺はそれがすごく嬉しかった。