ネェ、オレヲアイシテ?Ⅰ~Belief or Hypocricy~
「……逃げるぞ、妖斗、真凛、桃華」
俺は、後ろにいた3人にそう言い放った。
「……光にぃ、翼にぃ、もういいよ」
しかし、妖斗は俺の言葉にはうんとは言わず、そう静かに言い放った。
直後、喧嘩の音が止んだ。
「守ってくれて、ありがとう。……利亜さん、帰りましょう?」
妖斗は、前方にいる女の名を呼んだ。
「なっ、ふざけんな!!」
俺は、歩きだそうとした妖斗の腕を掴んだ。
「……翼にぃ、光にぃ、楽しかったよ。
でもね、言わせて?
……やっぱり俺には、白龍のいる世界は眩しすぎるよ」
「っ!!」
俺は、その言葉に思わず腕を緩めてしまった。
妖斗は俺の手を振り払い、利亜の元へ行く。
「フフ、いい子ね。妖斗」
目の前に来た妖斗の頭を、利亜は撫でた。
撫でられた妖斗が震えているように見えたのは、きっと気のせいじゃない。
直後、利亜は妖斗の体に、黒い長方形の機械のようなものを突きつけた。
「あがっ!!!」
悲鳴をあげ、妖斗は利亜の胸に倒れ込んだ。
よく見ると、それはバチバチっと電気を放っていた。
………スタンガン?
「「ふざけんな!!妖斗を返せ!!」」
俺と光輝は、同時に叫んだ。