ネェ、オレヲアイシテ?Ⅰ~Belief or Hypocricy~
ガラッ。
「来たな、風呂まで案内する。行くぞ」
ドアを閉めると、そこには喰蝶のメンバーが2人、待ち構えていた。
その中の1人が、俺に声をかけてくる。
だよなー。1人で行かせたら逃げるとか、そういうの考え済みだよなぁ……。
「ガキ、背ぇ伸びたなぁ?」
続けて、もう一人の男も俺に声をかけてきた。
ガキ?
俺はそいつの見覚えのある声と体型に血が沸騰した。
『こいつ、まだガキか。
……情けだ。ずらかるぞ』
その言葉を、あの日俺がどれだけ残酷だと感じたか。
2人は、俺の両親を殺して、
兄を植物状態にした張本人だったのだ。
「誰がてめぇらなんかに付いてくか。兄さんと母さんと父さんを返せ!!」
俺は男の胸ぐらを掴んで叫んだ。
「……はぁ。わーったよ」
「は?」
「だから、親を返してやるってつってんだ。付いてこい」
俺より背が少し低いその男は、機械的に言った。
「風呂には入らせる。親を見て気絶とかするなよ」
もう一人の男がそんなことを言ってくる。
……どういう意味だ?
気絶?