ネェ、オレヲアイシテ?Ⅰ~Belief or Hypocricy~
案内された部屋は、凍るような寒さだった。
そこには、人の骨が冷凍保存されていた。
「ほら、いるぞそこに」
頭蓋骨が2つに、腕の骨のようなものが4つ、足の骨も同じく4つあった。あと、背骨のようなものが2つ。
俺は、思わず膝から床に崩れ落ちた。
殆ど無意識で、ものを吐いた。
誰の骨かなんて、言われなくても分かった。
「…………ママっ、パパ!!」
そこにあったのは、俺の両親の骨だった。
10年も、ご丁寧に保存されていやがった。
「……んな」
「あ?」
「舐めんな!こんなんしといて返すも何もあるかよ!!」
振り向いた俺は、目の前にいた背の低い男に叫んだ。
「痛ッ!!」
男は俺の胸ぐらを掴み、体を勢いよく床に叩きつけた。
「……そうだな。返すも何も無いな。なんせ、弱いてめぇを守ろうとしてこいつらは死んだんだからよ。もう二度と帰ってこねぇよバーカ」
「……っ!!!」
立ち上がった俺の耳元で、男はそう囁いた 。罪悪感と自己嫌悪だけが募っていく。
……………ごめんなさい。
「……さっさと付いてこい、風呂に行くぞ」