ネェ、オレヲアイシテ?Ⅰ~Belief or Hypocricy~
救いの手。
「ん……」
「こんにちはー、元気してる?白龍の総長さん」
目を覚ますと、俺は携帯を持った利亜さんがそう言っているのを聞いた。
《妖斗っ!!妖斗聞こえるか!おい!》
スピーカになっている利亜さんの携帯から、光にぃの必死な声が聞こえてきた。
「……光にぃ」
《良かった、無事だったんだな。必ず助けに行く。後もう少しだけ待ってろよ、妖斗っ!!!》
……一昨日、自らを差し出していなくなったのは俺なのに。
自業自得なのに、光にぃ達はそうは解釈しない。
「煩いわね。ほら、場所を説明してあげるから、黙って聞きなさいな。
ココは喰蝶のアジトの最上階よ。そうね、今日から3日以内に、人手を集めてこの馬鹿犬を救出しに来なさいな。
副総長さんが腕の怪我で救出に来れないでしょうから、一人だけ助っ人を連れてきていいわよ。
早く来ないと、妖斗がどうなっても知らないわよ?」