ネェ、オレヲアイシテ?Ⅰ~Belief or Hypocricy~
それから直ぐに看護師が来て、妖斗は207号室まで運ばれた。
俺は207号室のドアを開け、
中に入った。
鍵を閉めて、白髪の男がいるベッドに近づく。
「……すまん」
俺は小声で謝った後そいつの病衣の紐を解き、身体に巻かれた包帯を解いた。
「はぁ……やっぱりか」
顔に手を当ててため息を吐く。
予感的中。
簡単に言えば、それは酷い有様だった。
まず、上半身は傷だらけだった。
腹には赤い縫った跡があり、胸から上は薄褐色の肌のほとんどが青く腫れ上がって、見るに堪えない。
その上、首筋や両肩など、腫れ上がった部分に上から痕がついてた。わざと青いアザの上につくられたみたいで、赤いアザのようになっていた。
俺はまさかと思い、奴の病衣のズボンを下ろした。
「……ッ!」
太ももの両方に、赤い縫われた跡があった。長さは、ざっと10センチはある。
間違いない。
こいつは売色をしている。
しかもこれは、際どい依頼内容
も全部受け入れてきた奴だ。
売色の客は多岐にわたる。
性行為の他に、暴力とか傷害とか、客によっちゃあ監禁なんかを要求してくる人もいるんだ。