ネェ、オレヲアイシテ?Ⅰ~Belief or Hypocricy~





案内されたのは、一種の診察室のような部屋だった。







空我先生が丸椅子を用意してくれ、全員ともそこに座った。





「ハァー。光輝、妖斗はなんて言った?」



「……利亜を、誰って」


俺たちの目の前にあった背もたれのついた椅子に座った空我先生は、ため息を吐いた。



「……お前のことは誰かわかったんだな?」



「……はっ、はい」


俺は、震えた声で返事をした。


ちょっと待ってくれ。


何だこの不可解な質問は。




冷や汗が頬を伝った。




「心臓が1度止まったから、CT検査を手術後にしたんだけれど……やっぱりか。恐れていたことが起きた」




「お、恐れてきたことって、何だよ……」




俺の隣に座っていた翼咲は、かなり動揺していた。



「……妖斗は、重度の記憶障害だ。彼は今、売色に関する記憶の一切を忘れている」







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