ネェ、オレヲアイシテ?Ⅰ~Belief or Hypocricy~
「……たい」
俺は、小さな声で呟いた。
「ん?、どした?」
翼にぃは俺の体から手を離し、不思議そうに
聞き返した。
「………兄さんに、会いたい。報告したいんだ。俺には友達も、家族も出来たよって……もう独りじゃないよって」
翼にぃは俺がそう言うと目を見開き、
嬉しそうに笑った。
「んじゃ、桃華も呼んでいくか!
光輝車椅子頼んだ!」
翼にぃは軽口を叩き、近くにいる光にぃにそんなことを言う。
「……いや、何処にあるんだよ」
光にぃは腕を組んでめんどくさそうにいう。
「1階の受付だよバーカ」
翼にぃはそう言い、光にぃと聖里奈を無理矢理病室の外へ連れ出した。
そして、桃華の所へ向かうべく翼にぃはそのまま病室を出た。