ネェ、オレヲアイシテ?Ⅰ~Belief or Hypocricy~
エレベーターで10階に着いて車椅子を押されていると、
すぐに兄さんの病室が見えた。
【1015号室 次楽暁斗】と描かれたその病室のドアを、
光にぃが開ける。
「…………そこで眠ってるのが、俺の兄さんの次楽暁斗だよ」
俺はそう静かに言った。
真凛が、俺の車椅子を兄さんの眠るベットの隣まで押してくれた。
「暁にぃ……っ」
そこでは、俺より背が低い150センチくらいの兄さんが、目を瞑って眠っていた。
骸骨のようにやせ細って、皮だけしかない手足や、凹んだ頭部は今も変わらず痛々しい。
もうここには、来れないと思ってた。
友達なんて、一生紹介できないと思ってた。
ポケットに入れた携帯を見ると、今日が1月8日なのが分かった。
本当は、今日兄さんは成人式に行くはずだった……。