ネェ、オレヲアイシテ?Ⅰ~Belief or Hypocricy~




その人はいつも、俺の体を縛ってから学校に行った。



ご飯はくれても




せいぜい1日1食だった。






腕と足を縄で縛り付けられ身動きもとれない中で、





その人が帰ってくるまで、





明かりもついていない家に閉じ込められた。







まるで、ゴミでも扱うみたいに。






『――ギッ、あ゙あ゙あ゙あ゙!!!』





俺は12歳の時その人に犯され、童貞をぶち壊された。俺はその日、生まれて初めて1万円という大金をその人――利亜さんからもらった。







そこで俺は知った、たった一つ。ほんの少しの我慢さえすれば生きていけることを。






たとえ、体がどんなに腐り果てようとも







その分金が手に入ることを。









幸せだった日常はいともたやすくぶち壊され、絶望を知った俺は、心の中にあった寂しさを、偽りの関係で埋めることにした。




家族が死んでいくのをただ見ることしか出来なかった自分には、本物の関係を望む権利など、元からないのだから……。






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