ネェ、オレヲアイシテ?Ⅰ~Belief or Hypocricy~
本当に、そうだろうか。
「…………」
何も言わない俺を、空にぃはそっと抱きしめた。
「……少しは人を頼れ。守られていい、だってまだ15歳なんだから。
大丈夫だよ」
何が大丈夫なのか、全然わからなかった。
「俺は…………怖いよっ!!!
みんなどうせ裏切るんだ!!
黑蜜蝶にはスパイがいたし、利亜さんは俺を監禁して暴力を振るって、その上犯したし、
麗羅さんはシンナーなんかやって!!
そんなんで信じられるわけないだろうが!!!」
今更俺の前に、本当の善人が現れる筈もない。
「……別に今すぐ信じなくたっていい。少しずつ、信じていけばいい。お前は俺が守るよ。仮に光輝がお前を騙していたとしたら、俺がお前を一生涯育ててやるよ」
「ほん、と?」
縋るように聞く。
涙が流れ、声は弱々しさを醸していた。
「あぁ、守るさ。……だから、行ってこい。妖斗、……お前はもう幸せになってもいいんだよ」