ネェ、オレヲアイシテ?Ⅰ~Belief or Hypocricy~
拒絶。
その日の夕方、6時頃のこと。
「ただいまー」
幹部室である屋上に光輝さんと聖理奈さんと真凛さんと俺の4人でいると、
そこにオレンジに近い赤毛をはねさせた
一人の男が入ってきた。
身長は俺よりちょっと高くて、歳は多分俺と同じか一個上か。
つり上がった瞳が柄の悪さを醸して、まさに不良っぽい。
「お、翼咲おかえりー」
光輝さんは男に近づいて、そう声をかけた。
「ん。光輝、そいつ新入り?」
翼咲と呼ばれた男は、屋上の柵にもたれかかっていた俺を、怪訝そうな顔をして見つめた。
「そーそー。妖斗、こっち来い」
俺は、光輝さんの背中に隠れ、そこから上半身をちょこっと出して男の様子を伺った。