ネェ、オレヲアイシテ?Ⅰ~Belief or Hypocricy~
幸せになる権利~妖斗side。
“いつもいつもそうやって笑ってろよ”
脳内で翼にぃの言葉が繰り返された。
翼にぃは、簡単に俺の心に踏み込んでくる。
第一印象は怖かったけど、
荒っぽい言葉遣いにはどこか優しさがあるのがわかるんだ。
「………お、俺は、笑ってていいの?」
心の底から笑ったのはいつだったか。
……兄さんといた時以来?
作り笑いばかりしてきた。仕事のため、死ななたい為と無駄に演技ばかり覚えたこの体は、いつしか本当の笑い方を忘れていた。
人生を楽しめと、他人は言う。
楽しめない環境にいて、楽しめるハズもないのに。
それなのに、
楽しまないのは罪だと間違っているという。