ネェ、オレヲアイシテ?Ⅰ~Belief or Hypocricy~
「そんなわけあんだよ。
妖斗、俺はな、小学校の卒業式の日……親に捨てられたんだ」
翼にぃは、あくまで淡々と呟いた。
「……え?」
突然の話の変わりように、俺は小さく喘いで驚くことしか出来なかった。
「卒業式の後、お袋と買い物に行く話になってさ、ほらデパートとかにさ、時々ゲーセンあったりすんじゃん。
お袋は買い物してくるから遊んでてねって言って、1000円を渡して俺をそこに置いていった。
で、閉店時間前になっても帰って来なかった」
月並みな表現だけれど、
それはあまりにも無慈悲な話だった。