ネェ、オレヲアイシテ?Ⅰ~Belief or Hypocricy~





「そんなわけあんだよ。




妖斗、俺はな、小学校の卒業式の日……親に捨てられたんだ」



翼にぃは、あくまで淡々と呟いた。





「……え?」






突然の話の変わりように、俺は小さく喘いで驚くことしか出来なかった。






「卒業式の後、お袋と買い物に行く話になってさ、ほらデパートとかにさ、時々ゲーセンあったりすんじゃん。





お袋は買い物してくるから遊んでてねって言って、1000円を渡して俺をそこに置いていった。



で、閉店時間前になっても帰って来なかった」







月並みな表現だけれど、




それはあまりにも無慈悲な話だった。




< 69 / 275 >

この作品をシェア

pagetop