ネェ、オレヲアイシテ?Ⅰ~Belief or Hypocricy~
「いやぁー、あん時は流石に泣いたよ?
店の人とか客が、大声で喚く俺をジロジロ見ててさ、いたら絶対お袋にも俺の泣き声聞こえてたんだよな」
見栄を張っているのか、翼にぃはわざとらしいほど元気に話をした。
「……なんで、俺にそんな話すんの」
「……お前さ、かぶんだよな。そん時の俺に。
わかんない?
学生とか、店の人とか、そういうの関係なく、周りにいる人全員化け物みたいに見えんの。……みんな自分の話してんじゃないかと思うんだ。
あの子は親に捨てられた可哀想な子だとか、こんな所で泣いてみっともないわねとか、
他人が話してる言葉が全部自分の悪口に聞こえてくるんだよ。周りにいる奴ら全員、俺のことを指さして笑ってるような錯覚さえしてくる。お前も、そういう経験あるだろ?
……あれも一種の拷問だよな」