ネェ、オレヲアイシテ?Ⅰ~Belief or Hypocricy~
ビシャー。
「痛っ!?こっ、光輝ストップ!!!
クっソ痛ぇから!」
問答無用で風呂場に隣接した流しに連れ出され、右腕に水をかけられる。
「知るかアホ」
傷口に水がものすごい勢いでかかる。
めっちゃ痛いし、水が冷たい。
「いっ、痛っ!!」
「うるせぇ。大人しくしろ」
光輝は喚く俺を塩対応であしらって、
水で傷口を洗いまくった。
すごい染みる。
このクソ光輝が。
「あ、あの光輝さん……もうその辺に」
3分くらい立ったところで、俺達の後ろにいた妖斗が遠慮がちに言った。
「まぁ、妖斗がいうならもう十分洗い終わったしいいか」
そういい、光輝はあっさり水を止めた。
おいコラ。
じゃあなんであんな長く洗ってたんだよ。
「無駄に長かったのは嫌がらせか!」
「友達と遊んだくらいで悪化させたお前が悪い」
「なっ!?……」
ド正論を返されると何も言えねー。
「アハハ!!……仲、いいですね」
妖斗が声を上げて笑った。
なんだろう。
こいつの笑った顔を見ると、簡単に機嫌が治ってしまう。
めったに笑わないから、だろうか。