ネェ、オレヲアイシテ?Ⅰ~Belief or Hypocricy~
「痛っ!
…………なぁ、一言いっていいか。
光輝の鬼」
1階のリビングルームにあるソファの上で、俺は光輝に右腕の全体に消毒をされていた。
リビングルームは、家に入るとすぐ先に見えるドアを入ったところの奥にある。
「たっく……。お前が病院行きたくないっていうからこういう手当しかできないんだぞ?痛くて当たり前だろ」
「それは、そうだけど……」
小さな声で俺は言った。
「……翼にぃ、傷口深い」
隣にいた妖斗がそっと右腕を触ってきた。
深いなんてもんじゃない。
俺の右腕は、付け根から首まで
ざっくり切れたような跡があるのだ。
「……なぁ、妖斗。例えばの話だけど、カッターの柄を半分以上出して、それを腕に突き刺したとしたら、どうなると思う?」
「えっ……」
妖斗の顔が曇る。