ネェ、オレヲアイシテ?Ⅰ~Belief or Hypocricy~
俺は入って早々にした煙草の匂いに、
思わず顔をしかめた。
こりゃあ、さっき待たされたのは
ベランダで煙草吸ってたからだな。
光輝の部屋はモノトーン柄を基調としている。
家具も絨毯も、部屋にあるもののほとんどが黒い。
「で?妖斗がどうした?」
ベッドにしかれた掛け布団の上に座り、光輝はいった。
「……あいつ、10年前実の兄を植物状態にされたって言ってた。
それで、調べたいことがあんだけど……ちょっとPC借りるぞ」
テーブルの上に置かれていたノートPCを拝借した俺は、Googleを開いてそこにある言葉を検索した。
【十年前 傷害事件】と。
1番最初に出てきた記事をクリックした直後、
俺達は同時に息を呑んだ。