ネェ、オレヲアイシテ?Ⅰ~Belief or Hypocricy~
そこまでで見るのが限界になり、俺はすぐにPCを閉じた。
「「…………」」
俺達は、同時に沈黙した。
奏斗(カナト)と唯華(ユイカ)って、……あれは妖斗の両親なのか?
それに、13代目幹部候補って……。
いくらなんでも、辻褄が合いすぎている。
事故現場の画像は削除されたのか見つからなかったが、確かに妖斗は十年前に兄を植物状態にされたと言っていた。
それに、仮にあの奏斗という人が19歳で姫と結婚をして子供を産んだのだとしたら、兄の暁斗は20歳で、妖斗が今15歳なのも頷ける。
あいつは、あんなことにあって生きてきたっていうのか?
これは酷いなんてもんじゃない。
こんなのは、いくらなんでも凄惨すぎる。
俺は壁の先にある妖斗の部屋を見つめた。
……妖斗、お前は今何を考えてる?