ネェ、オレヲアイシテ?Ⅰ~Belief or Hypocricy~
それから十分も経たないうちに、光にぃは翼にぃを病院まで連れていった。
ピンポーン。
お昼頃、ベッドでいつの間にか眠っていた俺は不意のインターホンの音に目を覚ました。
ん?
誰だ?
光にぃが帰ってきたのか?
いや、いくらなんでも3.4時間で帰ってくるのはちょっと早すぎないか?
手術終わっても、あの二人仲良いから話したりとかしてるハズだし。
不審に思った俺が1階に行って玄関のドアを開けると、そこにいたのは真凛さんだった。
「……帰れ」
そう言ってドアを閉めようと思い押すと、真凛さんはそれを両手で必死で止めた。
「待っ、待って!!光輝から事情聞いたの!もうお昼だよ?
妖斗、お腹すいてない?」
「別にすいてな……」
その時、余りにもKYに俺のお腹がグーと音を立てた。
「……最悪」
朝飯食べなかったせいか……。
「じゃあ、お邪魔しマース!!」
「あっ、おい!!」
真凛さんは、俺の細い身体とドアにあった隙間を器用に通り抜けて家に入ってしまった。
「……勝手にしろ」
怒る気が失せた俺はもう放っておくことにした。