ネェ、オレヲアイシテ?Ⅰ~Belief or Hypocricy~
鼻唄を唄いながら、真凛さんは台所にある冷蔵庫の中から野菜を出していく。
「……お前は聞いてこないんだな」
俺が隣に行って呟くと、真凛さんは何のことかわからないのか不思議そうに首をかしげだ。
「……俺の家のこと」
「アハハ!」
出した野菜をまな板の上に置いて、真凛さんは笑った。
「だって、妖斗顔に聞かないでってかいてあるんだもん。ごめんね?あの二人も結構無神経だよねー」
上機嫌で真凛さんは笑い飛ばした。
「………そんなの初めて言われた」
気がつけば、口が勝手にそう喋っていた。
そういう気遣いというものを、俺は
一度もされたことがなかった。
戸惑って、驚いて、どう反応していいのかわからない。