藤堂さん家の複雑な家庭の事情
その上我が家には6時半頃に仕事から帰ってくる兄がいるから、忙しさは倍増する。
パンと目玉焼きだけの朝ご飯が出来上がって食べ始めた頃、
「ただいま」
疲れを隠そうとしない声を出す兄のご帰還。
「翡翠君、おかえりぃ」
誰よりも早くそう言う琢と、
「をぬうとぅわん、をくぁうぇうぃ」
8割の確率で食べ物が口に入ってて、何言ってんのか分かんない状態になってる藍子に、兄は「おぅ」と声だけ掛けて、そのままリビングを横切ってお風呂場に行く。
たまにその後ろについて来て、リビングに入ってくる惣一郎の、今日は姿がない。
毎日帰ってくるのかどうか分からない兄の朝ご飯は基本的に用意してない。
帰ってきたら作るって事にしてるから、自分の朝ご飯を中座してキッチンに戻る。
その間に琢はしっかり――時には藍子の分まで――食べ終わって、リビングのソファに走ってってテレビを点けるから、途端に騒がしくなる。
キッチンにまで聞こえてくるテレビの音に耳を傾けながら、目玉焼きを焼いて珈琲を淹れる。
何を勘違いしたんだか知らないけど、本格的な珈琲が飲みたいと言って兄が買ってきたコーヒーサイフォンは、手間が掛かって面倒臭い。
パンと目玉焼きだけの朝ご飯が出来上がって食べ始めた頃、
「ただいま」
疲れを隠そうとしない声を出す兄のご帰還。
「翡翠君、おかえりぃ」
誰よりも早くそう言う琢と、
「をぬうとぅわん、をくぁうぇうぃ」
8割の確率で食べ物が口に入ってて、何言ってんのか分かんない状態になってる藍子に、兄は「おぅ」と声だけ掛けて、そのままリビングを横切ってお風呂場に行く。
たまにその後ろについて来て、リビングに入ってくる惣一郎の、今日は姿がない。
毎日帰ってくるのかどうか分からない兄の朝ご飯は基本的に用意してない。
帰ってきたら作るって事にしてるから、自分の朝ご飯を中座してキッチンに戻る。
その間に琢はしっかり――時には藍子の分まで――食べ終わって、リビングのソファに走ってってテレビを点けるから、途端に騒がしくなる。
キッチンにまで聞こえてくるテレビの音に耳を傾けながら、目玉焼きを焼いて珈琲を淹れる。
何を勘違いしたんだか知らないけど、本格的な珈琲が飲みたいと言って兄が買ってきたコーヒーサイフォンは、手間が掛かって面倒臭い。