藤堂さん家の複雑な家庭の事情
「あたし、お兄ちゃんの腕時計壊しちゃったかも……」
時折例外がある。
例外が「ある」っていうより、例外が「いる」。
ようやく朝ご飯を食べ終わったらしい藍子がその例外で、
「腕時計って何だ!? どれだ!?」
「な、何か王冠があるやつ……」
予想では、藍子は言うべきか言わざるべきかを朝まで悩んでたっぽい。
「王冠って、まさかロレックスか!?」
「かな……」
「え!? ロレックス!?」
「……っぽい」
「ロレックス!?」
「……」
「おい、お前、ロレックス舐めんなよ!?」
「舐めてないけど……」
「ロレックスがどうなった!?」
「パキッて音がした……」
「パキッ!?」
「でも音がしただけで壊れてないかも」
「何でそんな音が鳴るんだよ!?」
「踏んじゃったかもしれない……」
時折例外がある。
例外が「ある」っていうより、例外が「いる」。
ようやく朝ご飯を食べ終わったらしい藍子がその例外で、
「腕時計って何だ!? どれだ!?」
「な、何か王冠があるやつ……」
予想では、藍子は言うべきか言わざるべきかを朝まで悩んでたっぽい。
「王冠って、まさかロレックスか!?」
「かな……」
「え!? ロレックス!?」
「……っぽい」
「ロレックス!?」
「……」
「おい、お前、ロレックス舐めんなよ!?」
「舐めてないけど……」
「ロレックスがどうなった!?」
「パキッて音がした……」
「パキッ!?」
「でも音がしただけで壊れてないかも」
「何でそんな音が鳴るんだよ!?」
「踏んじゃったかもしれない……」