藤堂さん家の複雑な家庭の事情
あたしの髪を掻き上げて首筋にキスをしてくる惣一郎の、その動きはいつも同じで儀式のように感じる。
目を合わせると唇が近付いてくる。
何度も啄ばむようなキスを繰り返す。
繰り返していく内に深くなっていくキスに、時々息苦しさを感じる。
抱き寄せられ、唾液を混ぜ、お互いの呼気が荒くなり始めると、
「ベッド行こう」
寝室に誘われる。
薄暗い寝室で激しく求め合うあたし達は、多分この行為を儀式だと思ってる。
この一瞬、何も考えずにいられるようになる為の儀式。
肌に触れ、触れられて、湧き上がる感情は安心。
でもそれ以上に虚しさみたいな感情も湧き上がってくるから、更に激しく求め合う。
「心実」
囁かれる声。
「待っ、て」
強く握られる手。
目を合わせると唇が近付いてくる。
何度も啄ばむようなキスを繰り返す。
繰り返していく内に深くなっていくキスに、時々息苦しさを感じる。
抱き寄せられ、唾液を混ぜ、お互いの呼気が荒くなり始めると、
「ベッド行こう」
寝室に誘われる。
薄暗い寝室で激しく求め合うあたし達は、多分この行為を儀式だと思ってる。
この一瞬、何も考えずにいられるようになる為の儀式。
肌に触れ、触れられて、湧き上がる感情は安心。
でもそれ以上に虚しさみたいな感情も湧き上がってくるから、更に激しく求め合う。
「心実」
囁かれる声。
「待っ、て」
強く握られる手。