藤堂さん家の複雑な家庭の事情
「藍子が戻ってきたらどうすんの」

「藍子ちゃんが出てくるまでには帰るよ」

トワの手が、心実の服の裾から入っていき、その肌に直に触れる。


心実が然程抵抗しないのは、この状況に慣れているから。


周りから見れば時間の無駄に思える藍子の家庭教師も、こんな一時《ひととき》のオマケがついてくるトワと心実にとっては、無駄とばかりも言えない。


「声、我慢して」

心実の耳元でそう囁いたトワは、柔らかい心実の肌に手を滑らせ、探すまでもなく分かっている敏感な場所を、指先で優しく弄った。
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